転職を考えたら人生グラフを描こう|30代・40代のキャリアの棚卸し
転職を考え始めると、求人を眺めたり年収を比べたりと、つい「次の会社」から考えがちです。けれど30代・40代の転職でいちばん大事なのは、これまでの働き方のどこに手応えがあり、どこで消耗したのかを知ることです。そのための道具として役に立つのが、人生グラフ(モチベーショングラフ)です。ここでは社会人になってからの年月を中心に、キャリアの棚卸しとして人生グラフを描く方法を紹介します。
なぜ転職前に人生グラフなのか
社会人経験が10年、20年と長くなるほど、記憶は「最近のこと」と「強く印象に残ったこと」に偏ります。今の職場がつらいと、これまでの仕事まで全部つらかったように感じてしまうこともあります。
年ごとに点数を付けて線にすると、気分ではなく形で振り返れます。「入社3年目と異動直後は上がっている」「管理職になってから下がり続けている」といった流れが見えると、何を変えれば良いのかが具体的になります。転職するべきか、今の会社の中で働き方を変えるべきかを考える材料にもなります。
ステップ1:社会人になってからを1年ずつ採点する
横軸は社会人1年目から今年まで、縦軸は仕事の充実度を0〜100点で付けます。50点を「可もなく不可もない年」として、それより良かった年は上、つらかった年は下にします。
仕事だけでなく、生活全体の点数も別の線で付けておくと便利です。「仕事は充実していたが生活は苦しかった」「仕事は平凡だったが家庭が安定していた」など、2本の線のずれから、自分が何と何をてんびんにかけてきたのかが見えてきます。
ステップ2:山と谷に理由を書き込む
点数を付けたら、特に高い年と低い年に、その理由を一言ずつ書き込みます。出来事だけでなく、そのとき自分がどう感じていたかも添えるのがコツです。
- 山の例:新規事業の立ち上げを任された/信頼できる上司のもとで働けた/お客さんから直接感謝された
- 谷の例:やり方を決められない仕事が続いた/評価の基準が分からなかった/長時間労働で体力が持たなかった
ステップ3:山に共通する「条件」を見つける
山の理由を並べると、多くの場合いくつかの共通点が見つかります。たとえば「任される範囲が広いとき」「人に教える役割があるとき」「成果が数字ではっきり見えるとき」などです。これが、あなたがやりがいを感じる条件です。
谷にも共通点があります。「裁量がない」「評価が不透明」「移動や残業が多い」など、谷の条件は次の職場で避けたいことのリストになります。求人票や面接で確かめるべきことが、ここから決まります。
ステップ4:職務経歴書と面接の言葉にする
人生グラフで見つけた条件は、そのまま転職活動の言葉になります。志望動機は「谷の条件から離れたい」ではなく「山の条件をもっと生かしたい」という形で伝えると、前向きで説得力のある話になります。
面接で「これまでで一番やりがいを感じた仕事は」と聞かれたら、グラフのいちばん高い山の話をすれば、具体的なエピソードと理由をそろえて答えられます。落ち込んだ時期からどう立て直したかも、グラフの谷からの回復を見ながら話すと伝わりやすくなります。
30代と40代で見るべきポイントの違い
30代は、20代の経験からやりがいの条件がはっきりしてくる時期です。山の条件を生かせる仕事に寄せていくと、その後の伸びにつながりやすくなります。
40代は、管理職への移行や家族の事情などで、仕事の中身も生活も大きく変わる人が多い時期です。グラフが下がっている場合は、仕事そのものより役割の変化が原因になっていないかを確かめてください。役割を変えるだけで、会社を変えずに上向くこともあります。
描いたグラフを毎日の記録につなげる
転職の判断はすぐには決まらないことも多いので、描いたグラフをその後も更新していくのがおすすめです。Life Stock では、年ごとの点数から株価チャートのような人生グラフを作り、その後は毎日の記録で今日の値が動いていきます。転職や異動を「出来事」として記録しておけば、その前後で自分の値がどう変わったかを、あとから確かめられます。